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アフリカ諸国発行のユーロ債の市場価格は適切なのか?

07/09/2020

英国M&Gのエマージング債券ストラテジストのGregory Smithがユーロ建てアフリカ国債に関するレポートをリリースしていますので、ご参照ください。

ガーナ共和国財務大臣、ケン・オフォリ・アタ氏はガーナの補正予算を発表する場において、パンデミックの影響が甚大であることを明らかにしており、ガーナの対応は迅速かつ適切であったと考えています。にも関らず、2020年の財政赤字はGDPの約11%まで拡大されることが見込まれ、経済成長率は過去3年平均の6.8%から0.9%に落ち込むと予想されています。
金融市場の発達している新興国や先進国が低金利での借入れを実現しているのに対し、フロンティア経済は国際通貨基金などの多国籍機関から低金利での借入れが一部では可能なものの、大方はユーロ債の発行を通じて資金を調達しており、投資家の利回り追求から、不利な条件での発行が要されます。
政治家になる以前はウォールストリートでキャリアを積んだ同財務大臣は、世界の資本市場がアフリカに対して公平性を欠いていると主張しています。アフリカの借入れコストは高い状態が続いており、「他の地域がより安いレートで借りている間、アフリカが6%、7%、または8%で借りる必要はない」と主張しています。

世界の資本市場において「アフリカ・プレミアム」は果たして存在するのだろうか?

このプレミアムを把握するのには3つの方法があると考えます。

1. アフリカ諸国発行の債券と残存期間が同等で、国別の信用格付けが同等の新興国債券を比較した場合 この比較においては、まちまちの結果となりました。2030年に満期を迎える南アフリカのユーロ債とブラジルのユーロ債を比較した場合、格付けは同じにも関わらず、ブラジルのスプレッドは(米国債に対して)約305bpsですが、南アフリカのスプレッドは約486bpsとなりました。一方で、南アフリカのスプレッドは、600bps以上のスプレッドを有するオマーンを下回っています。同様に、B+格内では、セネガルとコートジボワールのスプレッドがトルコよりも低く、バーレーンよりは高い結果となり、B-格内では、ガーナはエルサルバドル、ウクライナ、ベラルーシよりも高いスプレッドという結果になりました。結果として、信用格付けと市場参加者による発行体の評価に差異があることが分かり、この分析では、プレミアムが存在する可能性を見出すことは出来ますが、アフリカ・プレミアムの存在を明白化することは出来ませんでした

2. より多くのユーロ債とのスプレッドの比較 2つめの方法は、より多くのサンプルのユーロ債のスプレッドを比較することです。 2006年から2015年の期間では、JPモルガン・エマージング・ディバーシファイド債券指数におけるアフリカ諸国発行のユーロ債は、世界金融危機時を含め、指数平均と同様のスプレッド水準となっておりました。一方で、2016年後半以降、アフリカ諸国発行のユーロ債のスプレッドは上昇が見られます。そして現在のパンデミックにおいて、アフリカ諸国発行のユーロ債のスプレッドは指数平均と比較し、急上昇が見られます。2016年以降の上昇は、アフリカの非投資適格のユーロ債の発行増加が起因となっており、20の発行体がUSD 121 Billionを発行しています。
アフリカ諸国発行のユーロ債で投資適格を有するのは約2%(モロッコのみ)であり、指数平均が54%であることがアフリカのスプレッドが高い理由と考えられます。したがって、アフリカ諸国発行のユーロ債は非投資適格の新興国のユーロ債と比較する必要があることから、この分析でも、アフリカ・プレミアムの存在を特定するには至りませんでした。

3. ディストレストとなっていない、ユーロ債の比較
最後に、新興国債券のデュレーションの長短における、スプレッドを比較するため、ディストレスト状態にない、シングルBのドル建てのユーロ債を比較します。この比較の結果、よりデュレーションの長いアフリカ諸国発行のユーロ債のスプレッドの上昇が見られます。2020年のパンデミックで信用リスクが上昇しているものの、M&GはG20の債務救済措置が原因なのではないかと考えます。

G20の債務救済措置がアフリカのスプレッドを上昇させている?

EMBI指数を構成する発行体で、G20 の債務支払猶予イニシアティブの対象国となるのは17ヶ国であり、このうちの10ヶ国がアフリカです。支払猶予を受けることは、投資家からの信頼を損なうことを意味し、国際金融市場からの調達が困難になる可能性もあることから、対象国は慎重に判断する必要があります。
G20 の債務支払猶予イニシアティブ対象国のユーロ債のスプレッドと対象国となっていないユーロ債のスプレッドを比較した場合、約100bpsのプレミアムが見られます。これは、利払い停止のリスクに対するプレミアムだと言えます。一方で、対象国の約半数はG20 の債務支払猶予イニシアティブを拒否しているほか、救済措置を受ける国の大変は二国間債務のみの猶予を希望しています。また、債務支払猶予イニシアティブ対象国で行使しないと表明している国のスプレッドも約100bps高いのは注目に値します。

結論

ケン・オフォリ・アタ財務大臣は国別の信用力が同程度にもかかわらず、より高い金利を支払わなければいけないことに不満を表しているものの、クレジットの信用力を考慮すると、アフリカ諸国がより高いコストを支払っているとは言えないと考えます。借入コストの削減には、更なる改革、成長を通じて信用力を上げる必要があると考えます。
一方で、デュレーションの長いアフリカ諸国のユーロ債のスプレッドは事実として、債務支払猶予イニシアティブに伴う不確実性で高い状態にあります。パンデミックによるリクイディ及びソルベンシー危機が懸念されるものの、年後半に債務支払猶予の詳細が決定することで、このスプレッドがタイトとなることが期待されます。
年後半から来年にかけて新興国債券の投資において、アフリカなどのフロンティア経済のリスクを把握することが大切だと考えます。2020年の第2四半期や第3四半期の債務状態が数値化されるにつれ、市場参加者はより適切な投資判断が可能となり、適切な価格で取引することが期待されます

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M&G Investments Japan株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2942号
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