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銀行間取引指標金利をLIBOR (その他の銀行間取引金利を含む) から変更

17/12/2019

LIBOR (ロンドン銀行間取引金利) が廃止されることが決定されています。LIBORやその他のほとんどの銀行間取引金利 (IBOR) が信頼性の高い指標金利に置き換えられます。その他の指標金利の置き換えも進められています。

LIBORとは?

LIBORは、長年にわたって銀行間貸出に使用されている金利体系です。金利は、オーバーナイトから12か月先まで、標準化されたさまざま期間のものが使用されています。金利は、米ドル、ユーロ、スイスフラン、日本円などの主要通貨ごとに定められているパネル銀行の提示金利に基づいて算出されます

LIBOR maturities

オーバーナイト  2か月
スポット・ネクスト* 3か月
1週間 6か月
1か月 12か月

*スポット決済日(通常1-2営業日後)からその翌営業日まで

出所:M&G、ICE、2019年9月

LIBORの変更に関しては、弊社の以下の資料もご参照ください

The coming end of LIBOR – Changes, choices and challenges (英語のみ)

弊社のBond Vigilantesのブログも併せてご参照ください。

サマリー

2021年末までに、各IBORは新しい指標金利に置き換えられます。各国の金融規制当局は、業界のワーキンググループと緊密に連携して、代替となる指標金利を特定する作業を進めています。

たとえば、英国においては、英ポンドLIBORの代わりに、ポンド翌日物平均金利 (Sterling Overnight Index Average 『SONIA』) を使用することになりました。米国では、有担ベースの担保付翌日物調達金利 (Secured Overnight Financing Rate 『SOFR』) がLIBORに取って代わります。

変更の目的とタイミング

各国の規制当局は、各国中央銀行が管理する指標金利算出プロセスの透明性、測定可能性、および信頼性の向上を促進させながら、可能な限り、実際の市場取引に基づいた金利を用いたいと考えています。

世界金融危機以降、銀行間貸出が大幅に減少したことを背景に一部のLIBOR金利の信頼性に疑義が生じたため、規制当局は指標金利の変更を実行することに踏み切りました。パネル行 (リファイナンスバンク) は、今でも各種LIBOR金利を提供していますが、取引量は減少しています。過去に生じた金利設定にまつわるスキャンダルを契機に、現在では公式機関による厳しい監視下にありますが、それでもLIBORに対する評価は低下したままです。

規制当局は、2021年末までに新指標金利に移行することを求めています。移行プロセスはすでに進行中で、ほとんどの通貨で新たな指標金利がすでに特定されており、移行の最終期限を待たずにすべての通貨の移行が、単に可能であるばかりでなく、実行に移される可能性が非常に高いと思われます。

このように移行に長い期間をかけている理由の1つは、変更の影響を受ける当事者に対して移行を円滑にするために相応の時間を与え、市場参加者への影響を最小限に抑えることです。理想的には、変更のプロセスが透明性をもち、借り手、貸し手、投資家に、ほとんど、あるいはまったく影響を与えないことです。

当社は、随時、移行作業の進捗状況と、移行に伴う影響に関する情報を定期的に更新してお伝えする予定です。

移行の概要

各通貨のワーキンググループは、推奨リスクフリーレート (RFR) をすでに特定しています。主なものは次のとおりです。

  • 英ポンド: ポンド翌日物平均金利 (Sterling Overnight Index Average 『SONIA』) がLIBORに取って代わる。SONIAは20年以上、英ポンドのオーバーナイト・インデックス・スワップ市場で使用されており、現在では融資の基準金利として使用されることが増加。
  • 米ドル: 有担ベースの担保付翌日物調達金利 (Secured Overnight Financing Rate、『SOFR』) が米ドルLIBORに取って代わる。SOFRは当面米ドルLIBORと平行して使用され、最終的には米ドルLIBORに取って代わる。SOFRは米国債のレポ市場の取引データに基づいており、2014年から存在しているが、公式に公表されるようになったのは2018年4月。
  •  ユーロ: ユーロ短期金利 (€STR [ESTR]) およびEuribor。欧州中央銀行は、ESTRをユーロ圏無担保翌日物平均金利 (EONIA) に代わる指標金利にすることを発表。Euriborに関しては、現在欧州当局は、他指標で置き換えるのではなく、内容に修正を加え使用を継続する方針。

期限

パネル銀行がLIBOR金利を提供するという合意は、2021年12月31日で終了します。この問題の解決に向けたこれまでの進展と重要な中間目標項目は以下のとおりです。

2018年4月: 1997年に使用開始されたSONIAが、イングランド銀行によって修正される。ニューヨーク連邦準備銀行によるSOFR公式公表開始。

2018年9月13日: ESTRがEONIAの代替RFRとして推奨される。EONIAは2022年1月3日以降使用しないことが決定される。

2019年10月2日: ESTRをECBが初めて公表。前日の取引実績を反映。

現在の指標金利と代替金利

現状の指標短期金利 通貨 予定される代替指標 公表開始日 (代替として) 代替候補監督機関 移行日 2019年10月時点の状況
LIBOR ロンドン銀行間取引金利 英ポンド SONIA ポンド翌日物平均金利 無担) 21018/4/23 イングランド銀行 2021/12/31 新規SONIAベースのスワップ、債券発行と一部新規ローン、債券での試験的転換
USD LIBOR 米ドル・ロンドン銀行間取引金利 米ドル SOFR 担保付翌日物調達金利 (有担) 2018/4/3 ニューヨーク連銀 2021/12/31 新規SOFRベースの債券発行とスワップ
EURIBOR ユーロ銀行間取引金利 ユーロ EURIBOR 改定作業中。EU当局は修正の作業内容に満足しているとコメント 時間を要している修正案策定は2019年中に終了予定 欧州マネーマーケット協会 未定 修正作業中
EONIAと EUR LIBOR ユーロ圏無担保翌日物平均金利 / ユーロ・ロンドン銀行間取引金利 ユーロ ESTR ユーロ短期金利 2019/10/2 欧州中央銀行 2021/12/31 新規FRN発行とデリバティブ
CHF LIBOR スイスフラン・ロンドン銀行間取引金利 スイスフラン SARON スイス翌日物平均金利 (有担) 2017/12 スイス証券取引所 2021/12/31 新規SARONベースの債券発行とスワップ
JPY LIBOR と TIBOR 円・ロンドン銀行間取引金利 / 東京銀行間取引金利 (TIBOR) (デリバティブのみ) TONA 無担保コールオーバーナイト物レート / TIBOR 2016/12 日本銀行 2021/12/31 限定的なスワップ取引
BBSW バンクビル・スワップ金利 豪ドル AONIA 銀行間オーバーナイト・キャッシュレート (無担) 2019/5/27 オーストラリア準備銀行 A1か月物に関してはAONIAがBBSWに取って代わる可能性。他は変更なし
NIBOR ノルウェー銀行間取引金利 ノルウェークローネ NOWA ノルウェー・オーバーナイト加重平均金利 (無担) 2020/1/1 ノルウェー中央銀行 2021/12/31 中銀による代替指標待ち
WIBOR ワルシャワ銀行間取引金利 ポーランドズウォティ WIBOR 修正版WIBOR 未定 GPW Benchmark S.A. 未定 修正作業中
(注) :CDOR (カナダ IBOR) 、HIBOR (香港 IBOR) 、SIBOR (シンガポール IBOR) 等は、IBORベースのエクスポージャーがないため、不記載。 *英ポンド市場: 英ポンドLIBORからSONIA。**米ドル市場:米ドルLIBORからSOFR。***ユーロ市場:修正EURIBORとEONIAからESTR。

出所:M&G、2019年11月15日現在

よくある質問

投資元本は変動し、投資から得られる利益は上昇することもあれば、下落することもあり、投資元本を下回る可能性もあります。

本レポートは機関投資家以外の人物を対象としたものではありません。機関投資家以外への再配布はお断りいたします 。機関投資家以外の投資家は 、本ウェブサイトに掲載されている情報に依存すべきではありません。

新たに導入される指標金利は IBORと何が違うのか?

IBORの代替として導入される金利は、大体の面においてIBORと同じですが、市場参加者が注意すべき重要な相違点がいくつかあります。

  • 提供される金利と実取引に基づいた金利: IBORは、パネル銀行 (通貨ごとに提供銀行は異なる) から提供される金利に基づいて計算されます。代替で導入されるRFRは、実際の取引に基づいて算出されます。
  •  ターム物とオーバーナイト: IBORレートは、特定の将来期間の金利です。導入されるRFRは、前営業日の取引値に基づいて公表される実績型の金利です。したがって、新しい指標金利を適用する債券やローンの利息額を決定する新しい方式が必要になります。

    この違いは業界にとって大きな課題です。この課題克服のために、「ターム物SONIA」金利を策定することになっており、現在多くの協議と作業が進行中です。
  • 無担保と有担保

    IBOR金利は無担保ベースであり、これは市場の一般的な慣行です。代替RFRの一部は無担保ベースですが、特定の資産を担保とする金利も存在します。有担の金利は、通常、無担の金利よりも低いレートになります。

    無担保貸付は「信用」を基に提供され、貸し手を護るための担保を借り手から徴求しません。担保付き貸付では、借り手が融資を受けるために、価値のあるもの、すなわち担保を提供します。

最終投資家に与える影響は?

弊社は、英国金融行動監視機構 (FCA) とイングランド銀行の監督下にある業界に属しており、市場全般に影響を及ぼす移行を可能な限り円滑にし、変動利付債などの市場でのベストプラクティスを定めることを業界として取り組んでいます。個別投資の価値への影響は、移行時には、あったとしても無視できるか非常に小さいと現時点で予想されています。ただ、投資価値に大きな変化をもたらすような事態が発生しないという保証はありません。

投資目標がLIBORに連動している投資戦略の場合は、目標を変更する必要があります。変更は、最良の市場慣行に沿って行い、投資戦略の運用への影響を最小限に抑えるようにします。投資目標の変更を行う際は、事前に該当戦略の投資家にご連絡いたします。

投資家は何か行う必要があるか?

ありません。弊社のすべてのお客様への影響を最小限に抑えることを目的とした方法で、LIBORおよび他のIBORからの移行を管理しています。

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